観光業界にとって長期の休みは商機の拡大につながる。旅行に行きやすく、日程も長くなるため、旅行消費額も大きい。観光地も恩恵を受けそうだ。そんな長期休暇が来年実現しそうで、業界関係者も注目している。
これは皇太子さまの即位に伴う休日で、ゴールデンウイーク(GW)がその10連休の時期となる。実現すれば、休日法が定められた1948年以降、最長とみられるという。
政府は12日の閣議で、天皇陛下の退位と皇太子さまの新天皇即位に伴う一連の儀式の詳細を検討する「式典委員会」(委員長・安倍晋三首相)の設置を決めた。
初会合で首相は、皇太子さまが新天皇に即位される19年5月1日と、即位を内外に宣言する「即位礼正殿の儀」が行われる19年10月22日を来年に限って祝日とする考えを示した。
菅義偉官房長官はその後の会見で、19年5月1日と10月22日の祝日化に関し、「速やかに法案を提出したい」と述べ、特別法を臨時国会に提出する意向を示した。
祝日法は、「その前日および翌日が国民の祝日である日は休日とする」と規定している。
5月1日(水)を祝日扱いにした場合、「昭和の日」(4月29日、月)との間に挟まれる4月30日(火)と「憲法記念日」(5月3日、金)との間の5月2日(木)が休日となる。
4月27日の土曜日が休めれば、5月4日(土)は「みどりの日」、5日(日)は「こどもの日」、6日(月)が振り替え休日となり、10連休が実現することになる。
10連休ともなると、旅行でもしようかという機運が高まることは確実だ。GWとはいえ、日並びによっては長期休暇がとれないケースもあり、遠方への旅行はしにくいが、10連休となれば話は別。遠方、特に海外旅行が増加するのではないかという見方もある。
人手不足に悩む宿泊業界などは人の確保をどうするかといった問題も出てきそうだが、商機を逃がさぬよう、手立てを講じてほしい。
中には「どこがピークになるのかが分からないのが不安。そこに合わせて従業員の配置や仕入れなども考えなければならず、今から頭が痛い」という観光施設もある。
5月1日の即位を見たいという人もいるだろうし、「人が休んでいる時が一番忙しい」という職業の人もいる。「銀行は空いているのか」「病院は休み? 病気になったらどうしたらいい」という不安の声も。
10連休という異例の長期休暇はどんな影響をもたらすのか。先は読みにくい。が、商機を生かし、業界が潤うことを期待している。
長期休暇で旅行に出かける人も増えそうだ(山梨・サンメドウズ清里スキー場山頂の清里テラス)